古典を読んで考えるブログ

東洋古典を中心に読んでいって、日常起こる出来事とつなぎ合わせて考えるブログです。

吾日に我が身を三省す ~気づいたら人生あとわずか、にならないように

もう五月に入り、今年も三分の一が過ぎてしまいました。

本当に光陰矢の如し、歳月人を待たずとよくいったものです。

今回はそんな気持ちを改めて感じさせる一文です。

 

曾子曰く、吾日に我が身を三省す。

人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて真ならざるか、習わざるを伝うるか。

 

【解釈】

私は毎日何度も自分の身を振り返り、反省し、なるだけ生活をシンプルにしようと努めています。

誰かの為に何かをする時も、実は我田引水、自分の利益になるような腹にイチモツをもってやっていなかったか、友人と交流するときにうそ偽りなく誠実であったか、相手を信頼していたか、日々自分がやってもいないようなことを無責任に話したりしなかったか、こういうことをよくよく点検するのです。

 

GE会長のジェフリー・イメルトが「イメルトさん、あなたはさぞ忙しい日々を過ごしているでしょうが、週末は何をしていますか?」と聞かれたときに、「土曜日の午前中は、その週一週間分の自分の行動・言動について振り返っています」と答えています。イメルト氏にしてこの反省、果たして自分は・・・と心臓をつかまれるような気がします。

三省堂の三省もこの曾子の言葉からとっていて、実に人生は「省」の一字に尽きるのかもしれません。「省三」という名前もここからきています。

人との交わり方について、公平無私であること、誠実であること、言動には責任が伴うこと、そしてそれを毎日毎日振り返っていけば、やはり生活や言動はシンプルになっていくのだと思います。

よく「○○のための99の法則!」とか本が出ていますが、本当に自分でやっているの?という類のものが少なくありません。そもそも99も覚えられないので、よくひねり出したなーと感心もするのですが・・・。

 

毎晩日記をつけるというのもよいことだと思いつつ、私自身、なかなか続きませんが、また始めてみようと思いました。

自分の行動に自覚的になること、なかなか日常生活の中でできていなかったことを自覚し、改善につとめていくことが大切ですね。

マナー研修を受けた時、講師の中谷彰浩さんが、

「きちんとしている人ほど自分のことを雑だと思っている。雑な人ほど自分は出来ていると思っている」

と仰っていましたが、一脈通じるところがあると思います。

 

毎日は夢のように過ぎていきます。

若い若いと思っていてもあっという間に時間が過ぎて行ってしまうと痛感する今日この頃、もっと一日一日を大切にしていきたいです。