古典を読んで考えるブログ

東洋古典を中心に読んでいって、日常起こる出来事とつなぎ合わせて考えるブログです。

千乗の国を導くに ~魚は頭から腐る

GW皆さん楽しんでますか?最近暖かいので朝も気持ちがいいですね~!

私は5日からマレーシアに行くのにお金を口座に移し忘れて焦ってます。。

さて、今日は大国・大企業のトップたるものの心得です。

 

子曰く、千乗の国を道びくに事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時をもってす。

 

【解釈】

大国や大事業を率いていくには、政事でもビジネスでも、およそ物事に誠実に対応し、国民や社員の信頼を得ること、いたずらにお金を使わず節約し、むやにみ人員も増やさず少数で対応すること、そして人を使う場合は時期に応じて民間や社員の本来業務に差支えがないように心配りをすることが大切です。

 

これは痛い指摘ですね。。

大企業や大国というものは既にそれなりの人もいればそれなりの仕組みも出来上がっているものです。大企業にいましたから本当にそう思います。であれば、トップは組織をシンプルに保つことを考え、余計なことはするな、と。

社員や国民のポテンシャルをしっかり発揮しているかというと中々そうならずに、何故か管理部門や中央省庁が肥大化してしまって効率が悪くなるということになりがちですよね。企業も成熟してくるとお金を稼ぐ人よりもお金を数える人の方が多くなってくる傾向にあります。

どこかのメーカーがラジカセを作った時に、「これは録音機能のついたラジオだからラジオ部門の製品だ」「いや、これはラジオ機能がついたカセットテープだからこちらの部門だ」といって譲らず、結局同じ製品を二つの部署で売っていたという笑えない話も聞いたことがありますが、同じようなことはどこの会社でもあるのではないでしょうか。

人も本来は合理的な範囲で少なくすべきです。いやいや、これ以上人が減ったら死んじゃうから!という場合は、まずは無駄な業務をしっかり省いていくのが必要です。カルビーの松本会長が「少数精鋭は、少数だから精鋭になる、という意味だ」と仰っていますが、そちらの方が意思決定も早いし本人も成長するものです。

 

基本コンセプトは、成熟した力のある国については、政府が余計なことをするのではなく、国民を安心させて、持ち場での実力をいかんなく発揮させるにある、もっといえば権限も委譲して現場で決めてもらう、そういう自生的な秩序が運営のコツだ、ということでしょう。

確かに明治維新や戦後すぐの日本は緊急事態ですから中央集権でエイヤッとやることが必要だったとは思いますが、今のような日本で中央集権がうまくいっているとは思えません(私は道州制支持派です)。戦後たった40年の成功体験が失われた20年を作ってしまっているように感じます。

そもそも幕藩体制地方分権ですし、今成長している大企業の多くが分権化の方針をとっています。衰退する国や企業は、まずこの政府・経営陣の誠実さがなくなったり、組織が肥大化したりして本来の競争力を失っている、という面も確かにあると思います。魚は頭から腐るとはよく言ったもの。

 

「一利を興すは一害を除くに如かず、一事を生やすは一事を減らすに如かず」