古典を読んで考えるブログ

東洋古典を中心に読んでいって、日常起こる出来事とつなぎ合わせて考えるブログです。

先ず其の言を行い、而る後に之に従う ~口舌の徒となってはいけない

本日は少し雨が降りまして、幾分暑さも和らいだようです。ピークは越えたのかもしれません。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものです。

 

子貢、君子を問う。子曰く、先ず其の言を行い、而シカる後に之に従う。

論語‐為政二‐13)

 

【解釈】

子貢は君子、人徳の完成した人間について孔子に尋ねます。子貢自身は口が達者な人物だったそうですから、孔子は「まず普段あなたが話していることを先に実行し、言葉はその後から出てくるような人を人徳の完成した人というのですよ」と釘を刺します。どこまでいっても実行なき者に人徳は生まれません。口舌の徒となるよりは不言実行の人間の方がよほど良い、そういうことを言っています。

 

今の時代ほど「実行」が重要な時代もないかもしれません。言うだけなら誰でもできる、しかしいざ実行する、労力や資金、時間を割くとなるとなかなかできないものです。「やらなきゃいけないのは分かっているんだけどね」「今日は大変だから明日、いやまた今度にするよ」等と言って先延ばし先延ばし、ということも往々にしてあるものです。

 

ある人が「言行一致」と「知行合一」は違うんだ、言行一致はまだ「言」と「行」が分かれている。合一でないといけない。というわけです。

最近は「有言実行」ということがよく言われおり、むしろ不言実行の方が聞かなくなってしまいました。有言実行は自分に対するプレッシャーという意味ではよいですが、とにかく言いっぱなしになってしまいがちであって、それならば言わない方がマシ、ということもありそうです。

 

なぜ実行が求められるのか。リーダーに実行力は不可欠です。果断即決、自ら進んで行う、こういう人に信用は集まります。動かないことには何も起こりません。少しでも試し、動き、そして結果を見て修正していく、そちらの方がよほど進歩発展することができましょう。

畏れて動かなくても何もできません。口だけで動かないのも単なる評論家です。仮説を以て動いて、そして考える、修正してさらに動いて考える。うまくいかなかった理由は何なのか、うまくいった理由は何なのか、そして更にうまくするにはどうしたらよいのか、四の五の話すよりは、そうやってノウハウを積み上げ、再現性と卓越性を究めていきたいものです。