古典を読んで考えるブログ

東洋古典を中心に読んでいって、日常起こる出来事とつなぎ合わせて考えるブログです。

為政第二

君子は周して比せず ~大きな目的のために偏しない

今日は8月15日、終戦記念日です。戦後70回目ということ。振り返れば、70年という歴史の重みを感じます。 子曰く、君子は周して比せず、小人は比して周せず。 (論語‐為政二‐14) 【解釈】 人徳の完成した立派な人間と徳の薄い人間、社会の中で生きる以上、共…

先ず其の言を行い、而る後に之に従う ~口舌の徒となってはいけない

本日は少し雨が降りまして、幾分暑さも和らいだようです。ピークは越えたのかもしれません。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものです。 子貢、君子を問う。子曰く、先ず其の言を行い、而シカる後に之に従う。 (論語‐為政二‐13) 【解釈】 子貢は君子、人…

君子は器ならず ~あなたは誰

少し暑さも落ち着きを見せてきました。引き続き熱中症にはご注意ください。 子曰く、君子は器ならず。 (論語‐為政二‐12) 【解釈】 器というものはそれ自体に使い道があって世の中の役に立つものです。人間でもまずは一芸一能を身に付け、世の中に処してい…

故きを温ねて新しきを知る ~賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

本日は日本語でも四字熟語になっている有名な章です。 子曰く、故フルきを温タズねて新しきを知る、以て師と為ナるべし。 (論語‐為政二‐11) 【解釈】 温故知新、過去とは連綿と続いている人間の歴史です。その歴史を尋ねていってそこから現在に対する新し…

其の安んずる所を察れば、人焉んぞ廋さんや ~人物を見る三つの視点

最近、殺人的に暑いようです。今年は記録的な猛暑になりそうですので、身体には十分ご注意ください。 子曰く、其の以ナす所を視ミ、其の由る所を観ミ、其の安んずる所を察ミれば、人焉イズクんぞ廋カクさんや。人焉イズクんぞ廋カクさんや。 (論語‐為政二‐1…

退いて其の私を省みれば亦た以て発するに足る ~一日一工夫でも

しばらく実家に帰っていたために更新が滞ってしまいました。これからは引き続き更新してまいります。 子曰く、吾ワレ回と言う。終日違タガわざること愚なるが如し。 退シリゾいて其の私ワタクシを省みれば、亦マた以て発するに足タれり。 回や愚ならず。 (…

色難し ~父と娘の最適な距離とは

梅雨入り。今年は比較的しっかり雨が降っているように思います。お百姓さんも一安心というところでしょうか。 さて、本日も引き続き弟子からの孝道に関する質問です。 子夏、孝を問う。 子曰く、色難カタし。事あれば弟子テイシ其の労に服し、酒食シュシあれ…

敬せずんば何を以て別たんや ~人間と動物の分かれ目

明後日からしばらく東京を離れることになりました。ガジュマルとかの観葉植物をどうしよう、と悩んでいます。 さて、本日も引き続き「孝」についての章です。 子游、孝を問う。 子曰く、今の孝は是れ能く養うを謂う。犬馬に至るまで皆能く養うあり。敬せずん…

父母は唯其の疾を之れ憂う ~父子の間は善を責めず

ちょっと間が空いてしまいました。また毎日再開です。 本日は先日の孟懿子の息子、孟武伯が同じく「孝」を孔子に聞いている部分です。 孟武伯、孝を問う。 子曰く、父母は唯タダ其の疾シツを之コれ憂う。 (論語‐為政二‐6) 【解釈】 孟武伯が孔子に「孝」と…

違うこと無し ~破壊は創造を生まない

目の前の道で工事をやっていて朝からうるさい・・・。なんだか去年からしょっちゅう引っくり返しているような気がする。。 今日はまたまた「孝」についてです。 孟懿子モウイシ、孝を問う。 子曰く、違タガうこと無し。 樊遲ハンチ御ギョたり。子之に告げて…

吾十有五にして学に志し ~人生のマイルストーンを刻む

一転肌寒い日になっています。体調に皆さんもお気を付けください。 本日もまた有名な文章です。 子曰く、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども矩ノリを踰…

民免れて恥ずること無し ~国民の民度を上げるには

我が家には小さい子供がいるのですが、夜泣きせずにしっかり夜寝てくれているのがとても助かります。朝にしっかり朝日を浴びさせるのがやはりポイントでしょうか。 朝こそ全て、という言葉もあり、なるべく朝方の生活にシフトしなくてはと思っていることもあ…

思い邪無し ~文芸は民族精神の表れ

最近は雨が降って少し気温が下がりましたが、本格的に暑くなってきましたね~。 紫外線が気になる・・・。 さて、本日は西郷さんも好きだった文章です。 子曰く、詩三百、一言以て之を蔽オオう。曰く、思い邪ヨコシマ無し。 (論語‐為政‐2) 【解釈】 詩経は…

北辰其の所に居りて衆星之に共うが如し ~理想に向けた努力を

今日から為政第二に入ります。 子曰く、政マツリゴトを為すに徳を以てすれば、譬タトえば北辰ホクシン其の所に居オりて衆星シュウセイ之に共ムカうが如し。 (論語‐為政二‐1) 【解釈】 政治に当たって、刑罰などによる法治主義ではなく、徳をもってする徳治…